狸皷腹木彫根付

江戸時代・19世紀
高3.3
線刻銘「一旦(花押)」
東京国立博物館

右手をあげて腹鼓を打とうとする狸。
「珉江」銘の狸も同じく右手をあげているが、一旦の狸は珉江のものよりも野性的な顔つきをしている印象である。
根付としてはこの右手が邪魔になりそうだが、果たして実用品としての意匠であったのか。
「一旦」は上田令吉「根附の研究」によると幕末~明治初期の人。

一旦夫又は競龍齋と號す、鳥羽藩士なりしが後年名古屋及岐阜に住し多くは木刻を以て人物、獣類を作り巧なり、殊に眠り猩猩を得意とす。常に自作品一箇を袂に入れ袂の上より之を磨く癖あり。明治十年頃歿す(彫銘、一旦、一旦夫又は名府下競龍齋)。

 
出典:国立博物館所蔵品統合検索システム